2015年12月08日

『海野十三全集 決定版』申請しました

 海野十三の全集『海野十三全集 決定版』ですが、完成しました。昨日、KDPに申請して数時間で審査を通過しました。審査の通過まではたいてい半日くらいかかるのですが、審査が早くなったのか、甘くなったのか分りませんが、すこしびっくりです。オリジナルで追加した作品を含めて全部で176作品を収録しています。


 青空文庫の収録作品は174作品ですが、そのうちの一つ海野十三翻訳のコナン・ドイル「まだらのひも」は追加で翻訳されていてパブリックドメインになっていません。ですので、掲載できる作品は172作品となります。そこに三一書房版海野十三全集第9巻の「怪鳥艇」と、扶桑社文庫「昭和ミステリ秘宝 二十世紀鉄仮面」にあった二つのエッセイ、

虫太郎を覗く
虫太郎の追憶

もあわせてテキスト化して、全部で176作品となりました。「虫太郎を覗く」と「虫太郎の追憶」を読むと、この二人の仲が良かったことがしみじみと感じられます。

 「怪鳥艇」のテキスト書き起こしはけっこう簡単でした。というのは、ジュブナイルなので難しい漢字はほとんどなく、ルビも少ないので、OCRの処理だけうまくやれば割とスイスイとテキストを書き起こせました。

 怪鳥艇」の書き起こしが済めばあとは簡単と思っていましたが、本文のレイアウトもけっこう面倒な作品が多くありました。テキストの罫囲みとかがいくつかありました。夢野久作ほどではありませんけどね。それと本文中にどうしても横組にしなければならない部分がありました。それは「虫喰い算大会」のなかの数式です。計算式ですね。

 たとえば

 まずやさしい虫喰い算の方から、その解き方を述べて行く。
【例題一】 次頁のような加え算がある。四角の穴は、いわゆる虫の喰ったところである。そういうものが、この問題には四つある。これを推理で探しあてるのだ。

  1□92
  29□1
  971□
+ 2□17
――――――
 17592

 まず右端の縦列の□から考えて行く。

 という本文があります。ここは縦組にはできません。数字は全角扱いなので、縦で組むと数字も縦向きになります。それと「+」とか「−」とかの記号も向きが回転してしまいます。「+」はともかく「−」の外字を作成して挿入するのはたいへんです。また数字部分を半角数字にはできません。列が揃わないことになります。

 そうなると、この部分のみを横組にするしかありません。「yokogumi」という段落スタイルを指定し、epubのスタイルシートで「horizontal-tb;」を指定しました。いろいろと作成してみて、epubだとこの方法がもっとも分り易いという結論に達しました。全部の計算式を画像にするという方法もありますが、それは考えただけでもゾッとします。

●Kindle Previewerでの表示
20151208-001.png

20151208-002.png
*計算式を横向きにしたので、計算式は次のページに横組で表示されます。

 ただし本文にはこういう計算式が4つも5つも並んでいる部分があります。これをまとめて横組にすると、1ページに収まらないわけです。縦組epubの中に横組テキストを指定しても1ページしか反映しないためです。それで仕方がないので、計算式が4つも5つも並んでいる部分は、それぞれを別々のページとして表示するようにしました。「虫喰い算大会」は旧字旧仮名の作品もあるので、両方で「yokogumi」指定が必要となり、思ったりより面倒でした。

 他にもKindle Previewerで画像が表示されないことがあったりして、最後まで手間がかかりましたが、やっと完成しました。


◆海野十三全集 決定版
www.amazon.co.jp




posted by じん at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 海野十三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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